コラム

SAF/持続可能な航空燃料とその原料とは

脱炭素が本格的な課題として認識されつつある現在。
各企業が様々な方法で事業の変革を進めています。

 

その中で、運送業は苦戦を強いられるという予想があります。

特に航空業界は飛行機がジェット燃料を消費するため、大きな変化が起きないと考えられてきました。

航空機の推進力として使われるガスタービンエンジンは化石燃料である重油の蒸留物を燃料として使用します。燃焼ガスの強力な熱エネルギーを使ってタービンを回転させるため、とても大きな出力を得ることができます。

2021年の現在では、化石燃料を使わない方法で、このエンジンの出力に匹敵するものは開発されていません。

私も、このガスタービンエンジンを置き換えるものが出てくるまでは、大きな変化はないだろうと思っていました。

 

しかし、最近になって燃料の方から変化してきている話を耳にしました。

 

ANAホールディングス(HD)は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減できる再生燃料「SAF」の国産化に乗り出す。海外などの製造事業者に大使、日本での製造に向けた働きかけを始めた。

出典:日経新聞2021年04月27日

エンジンはどうしようもないから、燃料を変えてみようという試みです。
私はそんな手段考えてもいませんでした。

今回は、SAFとは何か、そしてその未来について解説したいと思います。

 

SAFとは何か

Sustainable aviation fuel の略でSAF
訳すと「持続可能な航空燃料」となります。

 

名前だけだと中身が何か分かりませんね。

 

実は、化石燃料から作らない燃料なのです。
内容は色々ですがバイオ燃料を使っているものが主流です。
つまり、生物由来の素材から作られた燃料なのですね。

 

このことが、CO2を削減する効果が高いとして、今航空業界としても注目されています。

 

(個人的にはガスタービンエンジンで使用できる化石燃料以外のモノがあるだけで驚きですが。)

 

なぜ、生物由来だとCO2排出量の削減に貢献できるかというと

その作成を担っているものが「藻」であることが関係しています。

そう、海に浮いているアレです。

 

藻は成長過程で光合成し空気中のCO2を酸素に変換します。

このことがあるため、藻の生産からSAFになって消費されても、CO2の排出量は「実質ゼロ」ではないかという考え方が生まれました。(どこかの通信業者のサービスプランみたいですね。)

 

藻から作る燃料を藻類バイオマス燃料といいますが、これが完成したら自動車などにも転用できるかもしれませんね。

 

今後、そういった燃料で本格的にビジネスを行う企業が出てくるでしょう。

私も、できることはしっかりと応援していきたいと思います。